土曜日の東京競馬場、中山競馬の場外で閑散とした中、8R前にスタンド1階(スタンド東端)でターフビジョンのパドックを眺めていたら、オヤジ2人が近付いてきた。
オヤジAはチンピラふう(決定的な特徴を言うと、あっ、あの人だと分かる人もいるかもしれない)、オヤジBはサラリーマン課長ふう。ともに40歳前ぐらい。
オヤジB「にいちゃん、どう今日当たってる」
私「まあまあです」
オヤジB「あといくら持ってんの」
私「1万とちょっとです」(すなおに答えてどうする)
オヤジB
「じゃあちょうど良かった」(オヤジAを指して)
「この人いい情報もってるから教えてもらうといいよ」
オヤジA「次(のレース)、何買うか決めたの」
私「まだです」(おにいちゃんなので素直に答える)
オヤジA
「じゃ、次は頭
ユニオンカツアキだから」
「おれ馬主でさ、極秘情報もらってるから」
(話しながら地方馬主(大井)の証明書みたいなものを見せる)
「どれ、おれが買ってやるからいっしょに来なよ」(窓口に向かう)
オヤジB
「間違い無いから、この人の情報は信用できるから」
私は、地方競馬の馬主が中央競馬の極秘情報ってなんなんだよ?と思いながらも、急き立てられてついて行ってしまった。(こういうのカモという)
オヤジA
「どれ単勝で1万円行ってみなよ」
1万円を出すとオヤジAがさっと取って、窓口のおばちゃんに「8R単勝5番1万円ね」と勝手に馬券を買いやがった。馬券取られると思ったが、「じゃこれ」と私に渡してよこした。(取られないでいちおう安心)
私は場内テレビのオッズを横目で見て、単勝オッズ46倍を確認。新聞で成績を見て、こりゃ絶対に来ないと思った。
オヤジB
「じゃあ、いっしょにレース見ようよ」
オヤジBはそのあと私にひっついて離れない。的中したら手数料をいただく寸法なんだなとピンと来た。
そうしてオヤジBと何かしら話しをしていたら、オヤジAはいつのまにか消えていた。
レースがスタートすると、絶対と言っていた
ユニオンカツアキは3コーナー手前から徐々に後退していった。(やっぱり)
先頭がゴールしたときオヤジBは「チェ」っと舌打ちをして相当悔しがっていた。おそらく自分の馬券はすっ飛んだんだろう。私の単勝馬券もハズレたが、心の中ではざまあ見ろと思った。
オヤジB「残念だったな」
私にそう言うと、オヤジBもどこかに消えていった。
私は1万円消されたくせに、
「バーカ、カツアキなんて来るわけねーよ」(実は中学校の同級生できらいだったやつの名前が、運動オンチの“勝明”だったので、カツアキって響きに鋭く反応していた)
「残念なのはオメーだろ」(オヤジの姿が見えなくなって強がっていた)
あれから20年
今もってコーチ屋にやられたのを、
ユニオンカツアキの凡走の話にしようとしている自分が悲しい。
その後、しばらくはオヤジAの方を東京競馬場でちょくちょく目撃したが、ここ10年ぐらいは、まるっきり見かけていない。(死んだかー)
その時のレース結果
1986年11月29日(土)サラ系4歳上400万下===
今もコーチ屋現役なんでしょうか(笑)
コーチ屋には気をつけましょう。
posted by 新マネー競馬 at 15:08|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
諸行無常(New)
|

|